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TShousestory

TS house 家づくり物語

はじめに

 私たちに住宅設計を依頼して下さるお客様は様々です。
 ホームページをご覧んになられた方、お知り合いからの紹介、工務店さんとのコラボプロジェクトでのモデルをご覧になられた方、住宅講座等を受講された方などなど…。共通しているのは、既製品ではなく、建築家の作品としての住宅でもない、自分たちに合った…他にはない…自分たちにふさわしい…『キラリと光るふつうの家』を実現したいという思いをお持ちだということです。
 今回ご紹介するSさんもそういう思いをお持ちの住宅講座卒業生でした。

1.土地探し

 「住宅を作りたいのですが土地がまだ決まっていません。」
 「だったら土地探しから始めないといけませんね。」

ヒアリングの結果、敷地条件を整理しました。

 1.広さは40坪が最低ライン
 2.希望の学区が実現できる場所
 3.おじいちゃん・おばあちゃんの家から近いところ。(車で5分以内)
 4.夫婦共働きであるため、現在の職場への通勤が容易なこと。
  また転勤となった場合を考え、広島駅に出やすい交通機関を確保できるころ。
 5.採光・通風が確保できる立地であること。

ベテランで安心できるA不動産に条件を説明し、情報を求めました。

最初に提示された情報は、南側が道路でした。将来にわたって日当りのことを心配する必要がありません。価格は少し高かったのですが、不動産会社が売り主と協議してみますということになって交渉を任せることにしました。しかし、残念なことに価格的に合わないのことと、競争相手が出現してしまい交渉は不成立となりました。
そこで、次の土地ということで立地条件に合う地域の団地を探してみることにしました。

広島都市圏ではまだ宅地が残っいるということでしたが、いざ希望の地域で値頃な土地というのはなかなかないことが分かりました。広すぎる、狭すぎ、日当りが悪い。ここはと見つければ必要のない建築条件が付いていたりで「もうないのかなあ。」と言いながら同じ団地を回っていて、○○○○という旗が立っている前で止まりました。ひょっとして○○○○が不動産会社だとすれば、必要のない建築条件なしにできるかも?問い合わせたところ、つい先日建築条件を外したとのことで、早速Sさんに見て頂くことにしました。

土地探し1
土地探し2

実はこの土地は北側に開いていて、南側には開いていませんでした。北下がりの傾斜地に造成されているので、南側は住宅の影が道路を隔てて大きく敷地に伸びていました。この土地をどう活かせばいいのか?そこがポイントでした。昼間の日照を確保する建物配置と北側の景色を楽しむ提案をしました。

土地探し3

Sさんと日曜日の正午に日当りの確認をし、後日夜にもう一度お会いしました。夜Sさんご夫妻と現地に立った時には、もうその気になってしまいPlanの話になりました。「こんなに市内の夜景がきれいなんだから北側にも大きな窓がいりますね。」土地の活かし方に満足され、土地購入という運びになりました。

2.企画・基本設計→実施設計+確認申請

企画・基本設計

ルーラ基本設計1

まずはヒアリングからスタートです。
家づくりに対して相当検討されており、
Sさんの思いは随分わかりやすくはっきりしていました。

いろんなタイプのお施主さんがいらっしゃるので、まだ思いが漠然とされている場合は、たくさんお話をして、一緒に“キラリ”を見つけていくのもこれまた楽しいものです。(^^)

では、Sさんの思いをご紹介しましょう。

1.明るく風通しの良い家に。(エアコンはほとんど使わない。)
2.木をたくさん使ってほしい。特に床は自然な風合いの無垢材。
3.壁はビニールクロスでないものがいい。
4.リビングはなくてもいい。ダイニングに大きな食卓を置き、
 そこに自然に集まり一緒に過ごせる空間としたい。
5.キッチンはステンレスのアイランドタイプ。
 みんなでキッチンを取り囲んで料理を楽しみたい。
6.本棚がたくさん欲しい。アルコーブ、収納なども充分確保したい。
7.ロフトはできるだけ大きく取りたい。
8.吹き抜けはメリットデメリットを知った上で決めたい。
9.当面子ども室ははいらない。将来は仕切れるようにしておき、
 それまではフリースペースとしてみんなで過ごせる空間として使いたい。
10.限られたコストの配分においては外部仕様よりも内部空間や構造にウエイトを置きたい。
11.今は別居している母(ご主人の母上)と同居するので、そのための部屋を1階に確保したい。

その他、ノートに切り抜きがたくさん貼ってあり、
Sさんの“キラリ”がびっしり詰まっていました。

ルーラ基本設計2
ルーラ基本設計3

2週間後に打ち合わせした案がA案です。
(A案→右)

プランニングの基本方針を説明し
Sさんの思いをさらに深く掘り下げていった案をつくりました。
それがB案です。
(※スペースの都合で図面は掲載しておりません。)

B案はA案で打ち合わせした内容を反映したのですが、設計者としてはしっくり来ていませんでした。1階の階段付近のスペースが冗長な上に落ち着きがない。水廻りが分散していて合理的とは言えない。そして…

更に打合せた結果

1.家事動線を考え、キッチンと洗濯スペースを近くにセットする。
2.リビングと外(ウッドデッキは是非欲しい)との一体感を創出するため、
  サッシはフルオープンタイプとする。
3.キッチン近くにパントリーを確保する。
4.現在保有の家具及び購入予定の家具を組み込んだプランとする。

と更に具体的な要望が提出されました。

C案ではリビングのキッチンの位置が反転しました。水廻りはまとまったのですが、なんか窮屈な感じです。Sさんもそのことを感じられたのか、前のB案の方がいいような気がしてきましたとのことで…

設計者はこのあたりがこの計画の山にあたる部分だと直感しています。(設計者にとっては本当はこのあたりが一番楽しい作業なのです。)

D案ではワープします。2つのことが大きく変わってきます。(1)ユーティリティがなくなったこと、(2)水廻りがひとつにまとまったこと、です。

さらになくなったユーティリティの機能をパントリーを広げることによって回復させると同時に、パントリーで電子レンジやオーブンの利用を実現することで、調理スペースの補助的な役割を持たせる。
どこの家にもない多機能パントリーが出現することになったのが企画最終案のE案(実施設計図面へとつながる)です。

3.実施設計+確認申請

E案で積み残したことがありました。

1.階段室の一部に本棚を設ける。
2.バルコニーに屋根をつけて屋外物干場として利用する。
3.できるだけ本棚(オープンが良い)を多く確保する。

これらを組み込みながら実施設計を進めていきます。
一般図ができあがったところで、実施設計1回目の打合せということになりました。

一般図とは…

(1) 外部及び内部仕上表
(2) 配置図
(3) 各階平面図
(4) 立面図・断面図
(5) 矩計図

この他にも建具リスト(サッシ,木建),展開図(各室の詳細図),電気プロット図,設備図,構造図などがあります。これらも後の打合せで提示し、細かいところまで踏み込んでいきます。

各図面を見ながら、更に下記の内容についても、詰めていきました。

[住宅設備機器]:
いろんなメーカーのショールームを一緒にまわり、ご希望に合う商品を探し、見積もりをとり、予算とこだわりとのバランスを検討しました。

▷キッチンは…?
まず、形はアイランド。でもコンロのフードが天井から垂れ下がるのはちょっと…。(じゃあ流し台をアイランドにしてコンロ側は壁付けにして…。)流し台側のアイランドのカウンターを広くし、作業スペースを確保して、周りをぐるりと家族みんなで取り囲んで一緒に作業できるようにしたい。キッチンはプラスチックや人工大理石よりステンレス中心のものがいい。でもオールステンレスだとコストが…。(コストやテイストも含め他とのバランスを考えて納得のいくものを選びましょう。ということで、ショールームに何度も足を運び、作業台・調理台のカウンター部分はステンレスで、扉部分はペンキ塗りの壁と合うステンレスではない別の素材でということになりました。)これで決定!

▷トイレは…?
鏡や手洗い器は不要で、とにかくシンプルにシンプルに…。最低限必要なものだけに=手洗い付き便器と手すりと使い易いオープン棚。でも便器はお掃除し易いものに…。ここではコストを抑え、こだわりの部分に使いたい…。(ということで、ここではかなりコストを抑えることができました。)

▷浴室は…?
プラスチックはあまり好きでないけれど、在来の浴室だと、手入れ、寒さの問題が…。やっぱりU.B.=ユニットバスがいいですね。

▷照明は…?
できるだけシンプルに…。(プレゼンボードに提案をまとめてみました。補助照明は建築時に用意するものと暮らしながら揃えていくものとを整理して…。)

▷家具は…?
今もっていらっしゃる家具・これから購入される家具とそれらの搬入方法・置き場をどうするか、また建築時に造り付ける棚や机・それらを可動式にするかどうか…など十分話しました。家具屋さんにもご一緒させていただき、こだわりのダイニングテーブルを一緒に味合わせてもらいました。

▷動線etc.…確認!
特に家事動線については念入りに打合せをしました。料理等キッチンでの作業はみんなで楽しめるように…。集いのメインはあのダイニングテーブルで…。洗濯の動線もシミュレーションしながら考えました。「あ!ここに物干しパイプがあったらいい!この向きがいい!」などアイデアが色々でました。雨天時の物干しについても「どうすれば、よりよいかな…。」と考え、浴室内物干しに加え2Fに特設室内物干しを作ることになりました。

▷風や光の通り道、断熱・遮熱についても…確認!
高気密高断熱を実現しながら省エネで快適に過ごせるよう、風の通り道や光の道について確認しました。これに遮熱の技術が加われば、パーフェクト!無敵!という感じです。

▷全体をトータルチェック!
模型を作り、住宅全体の細部とともに全体をトータルチェックしました。
全図面へ最終の思いを反映させました。

十分打合せを重ねましたので、“今やっておくべきこと(=こだわり)” と “後でもいいこと”の整理もつき、どこにもない Sさんの『キラリと光るふつうの家』が誕生することになりました。

確認申請もおり、あとは工事へと進んで行きます。

3.工務店選び……決定。

工務店選びには2種類あります。入札方式と特命方式です。

■ 入札方式とは… ■
優良な工務店数社を指名し、設計図を交付し、見積もり額を各社同時に提示してもらい、最も安いところと工事契約する。

■ 特命方式とは… ■
最も適当と思われる工務店1社を選定し、設計図を交付し、見積もりを提示してもらい、予算に合わせて価格交渉を行い、合意すれば工事契約する。

今回は建築主のご希望で、特命方式で納得のいくまでA社と価格交渉を充分に行いたいということになり、A社に見積もりを依頼しました。

予算より少し上になっても後悔しないように、思いを全て盛り込んだ最終案を交付、見積もりが出てきました。当初の予算配分とこだわりとのバランスをとる作業のスタートです。

   「ここは、“こだわり” 譲れないもの…!」
   「ここは、別の材料や別の方法を使ってコストを落とそう…!」
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見積もりとのにらめっこが続きましたが、納得のいくダイエットができ、A社と工事契約の運びとなりました。

   「よー、ぱん。」(笑顔)

4.着工→工事中

いよいよ工事です!

思いが確かな形になっていくためには、しっかりと監理していくことが重要です。

[基礎工事]

▷地業→配筋→コンクリート打設 ⇒⇒⇒ Check!

根切り、砕石、ランマー転圧など
今回はスラブオングラウンドという逆スラブ型べた基礎工法なので、
普通のベタ基礎の配筋とは違います。
配筋が図面通りか、重ね継ぎ手、定着、補強、コンクリートのかぶりが
きちんととれるかなどチェック!しました。
後日、コンクリート打設状況、HD・アンカーボルト等チェック!しました。

▷プレカット図+材料確認 ⇒⇒⇒ Check!

柱・梁をどう組み合わせるか、構造材や化粧材の確認も含めて、入念な打合せを水面下で行い、建て方に向けて準備です。

▷建て方(上棟,柱建て) ⇒⇒⇒ Check!

工事の中で一番の見せ場です。建て方では、土台から屋根までその日のうちに上げて行きます。(住宅の規模や立地条件によっては数日かかる場合もありますが…)前日の土台敷き、接合金物、柱・梁設置、屋根下地、屋根防水等チェックしました。屋根防水まで施工してあれば材が雨で濡れる可能性が低いので安心です。

〜ちょっとブレイク。。。〜

現場はきちんとしていることが大切です、掃除の行き届いている工務店さんはいいですね。。。

▷耐力壁 ⇒⇒⇒ Check!

耐力壁は木造住宅の構造でとても重要です。壁量計算した図面通りか、耐力壁の施工はきちんとされているか、釘の種類やピッチなどは大丈夫かなど厳しくチェックしました。

▷屋根防水 ⇒⇒⇒ Check!

防水シートの立ち上がりや重ね方などをチェック!

▷床暖房工事 ⇒⇒⇒ Check!

吹抜けのある空間には床暖房が最適です。温水式床暖房は快適です。
フローリングとの取り合いやスイッチ位置など確認しました。

▷電気工事 ⇒⇒⇒ Check!

現場にてもう一度コンセントや照明・スイッチなどの位置と個数を確認です。コンセントBOXなどは結露の原因とならないように対策が必要です。

▷断熱工事 ⇒⇒⇒ Check!

耐力壁に続いて重要な工事です。ここでしっかりチェックしていないと結露の問題が生じます。高気密・高断熱住宅では、ヒートブリッジや隙間は命取り!断熱材は隙間なく入っているか、気密をとるためにテープなどの対策をとっているか、外からのヒートブリッジになる部分は配慮してあるかなど細かいところまでチェック!

▷その他の工事 ⇒⇒⇒ Check!

外壁の下地や防水紙の施工状態などをチェック!
内装についても、下地の処理や塗装の状態、納まりについてもチェック!
これらについては、頻繁に現場に通い、タイムリーに指示しました。

外壁の仕上げ、内装の仕上げについても、現場に通う中で、しっかりとチェックし指示しました。

5.竣 工

ついに完成です。Sさんの『キラリと光る普通の家』ができました。

竣工しても、半年・1年・2年と点検に行きます。
これからいよいよ新生活のスタート!すてきな思い出がいっぱいできますように…。

あとがき

半年後、心あたたまるお葉書を頂きました。
いい出会いを本当にありがとうございました。

 

☆ ジャンプ前のページ → キラリと光るふつうの家

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